レールが見えない引き出しレール
引き出しレールの形には、大きく分けて2つあり
引出し箱の側に、レールが見える スライドレール型
引出し箱の側に、レールが見えない アンダーマウント型
機能は大きく分けて3つ
ゆっくり閉まる ソフトクローズ式
押すだけで引き出される プッシュオープン式
押すだけで引き出され、かつゆっくり閉まるソフトクローズ+プッシュオープン式
アンダーマウント型はどんな家具によく使用するか
その1
大きな引き出しをゆっくり閉まるようにしたい時
引き出しの幅Wが700を超える場合、ゆっくる閉まるスライドレール型を使用すると
引きこみが悪く、引き出しが最後まで引きこまれない場合がございます。
スライドレールは、ベアリング機能にて、引き出され引きこまれるのですが、
引出し幅が大きいと、引きこむ力が足りず、連動性に欠けてしまいます。
大きい幅の引き出しをゆっくりしまいたい場合には、適さない事が多いです。
その2
レールが、見えないすっきりとした印象の家具を求められる場合
お値段的には
スライドレール型 < アンダーマウント型 < アンダーマウント型(プッシュオープン)
アンダーマウント型(プッシュオープン)
一度飛び出したものを、ゆっくり引きこむという
真逆の操作をシンクロ化によって快適に動作するわけで、
お値段は高額ですが、パーツの機能性の高さと1つ1つの造りが細かく、しっかりしております。
お値段以上の製品開発が必要かと思われます。
また、アンダーマウント型(プッシュオープン)は余計なものがなく、家具の見栄えを引き立てます。
アンダーマウント型の老舗メーカーは、
HAFELE*GRASS(ノヴァプロ スカラ)ドイツ
Hettich (クアドロ)ドイツ
Blum(モベント)オーストリア
スガツネ(2010 セルフ&ソフトクロージング機構付 )日本
ほとんどが海外メーカーです。
また、アンダーマウント型 プッシュオープン+ソフトクローズタイプは
今のところ、海外メーカーのみとなっております。
海外メーカーの特徴は、どのタイプのレールもそうですが、
国内メーカーに比べ、引き出しレールの長さや種類が豊富です。
また、レールにまつわる別売りオプション品も多いのが特徴です。
今回は設計さんのご希望で、Blum社を使用。
ブルムといえば、ブルモーションでおなじみ。
今回は、プッシュオープン+ブルモーション(ソフトクローズ)を使用しました。
Blum社 ブルム モベント
外から見えない最高グレードの木製引出用レールシステム
今までに経験した事のない走行性と使いよくなった前板調整機能が、このシステムの特長です。
シンクロ化によるスムーズな走行
レール内部のシンクロ化によって、今までにないスムーズな走行性を実現。
内蔵のブルモーションは静かで快適に閉まります。
ハンドルレス前板
軽くタッチするだけで開けられ、ゆっくりとひきこまれるような機能で快適に閉まります。
シンクロ化によるスムーズな走行
レール内部のシンクロ化によって、今までにないスムーズな走行性を実現。
内蔵のブルモーションは静かで快適に閉まります。
前板は4方向調整
調整機能が新しくなり、さらに快適に。独立4方向の調整が可能。
(左右調整、高さ調整、傾き調整、奥行き調整)
外から見えない最高グレードの木製引出用レールシステム実際に使ってみました。
引出し3杯と、幅1300のスライド棚に Blum MOVENTを使用
スライド棚の天板には、輸入タイル(シルバーセルベジャンテホワイト)貼
ワインセラー:W2800*D660*H2090
ウォールナット突板 仕上げ
レール:Blum モベント (チップオン付き)
レールの長さ:250㎜-750㎜ (一部海外取り寄せ)
耐荷重:40K 60K 2種
引き出しレールもどんどん使う方の負荷がかからないように進化しており
最近では、電動で引き出しを開閉するといった、電動の物も出ております。
おそらくタッチレスも時間の問題ではないでしょうか?
プッシュオープン+ソフトクローズは、TVボードやワインセラー等の
装飾的な家具や見た目重視の家具に、おすすめです。
余計なものをなくし、すっきりとした印象。家具そのものに高級感が増します。
見た目よりも作業性重視の家具には、ソフトクローズのみのタイプをお勧めいたします。
作業性が要するキッチン・パントリー等の場合
プッシュオープンは、押す力で引き出されますので、脚があたれば、
脚で引き出しを開てしまうことになり作業が困難です。
引き出し以外にも、扉の開閉でも同じことが言えます。
実際に使用すると、メリット*デメリット*納まりが理解できますので
随時、新しい金物にTRYした際は、ご報告させて頂きます。
プッシュかソフトクローズか迷われている方は
是非ご参考にしてくださいませ。